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減色処理 グレースケール・二値化
2022.05.04

YouTube でも紹介しています。画像をクリックすると再生できます。

今回はカラー画像を、まずグレースケールに変換し、次にフロイト-シュタインバーグ・ディザリングを適用した二値化処理を行います。
ここでは、下記の3通りのグレースケール化を実施してみました。

1.RGB平均値によるグレースケール化

2.ガンマ補正を考慮した、RGB加重平均によるグレースケール化

3.ガンマ補正なしの、RGB加重平均によるグレースケール化


■1.RGB平均値によるグレースケール化と二値化
画像を色味のない明るさの度合い(Luminance、輝度)だけで表現するのがグレースケールです。
RGB平均値によるグレースケール化
R,G,B は3つ同じ値で加色混合すると無彩色(黒~グレー~白)になるよう輝度がバランス調整されています。
luminance = (R + G + B) / 3.0;
R = luminance;
G = luminance;
B = luminance;
これにより、カラー画像をグレースケールすると左の画像が得られます。

これにフロイト-シュタインバーグ・ディザリングを適用した二値化処理を行います。
●フロイド-スタインバーグ・ディザリング
フロイド-スタインバーグ・ディザリング(Floyd–Steinberg dithering)は画像用ディザリングアルゴリズムであり、1976年、ロバート・フロイドと Louis Steinberg が発表した。画像操作関係のソフトウェアで広く用いられており、例えば最大256色までしか使えないGIF形式への変換の際に使われています。
各ピクセルの量子化誤差をそれに隣接するピクセル群に拡散させることでディザリングを実現するアルゴリズムです。 隣接ピクセルへの誤差の分配は次のようになります。

星印 (*) が現在見ているピクセルを表しています。
このアルゴリズムでは、画像を左から右、上から下にスキャンし、ピクセルの値を1つずつ量子化していきます。 毎回の量子化誤差は隣接するピクセル群に分配されますが、既に量子化が済んだピクセルの値は変更しません。 これにより、あるピクセルの値が量子化によって切り下げられたら、次のピクセルにその誤差が反映されて切り上げられることになり、全体として量子化誤差がゼロに近づくことになります。
Ref.フロイド-スタインバーグ・ディザリング(ウィキペディア)
Ref.誤差拡散法
Ref.Image Dithering: Eleven Algorithms and Source Code

●二値化
二値化において、誤差の基準になるのが、しきい値です。 このしきい値を上回る輝度をもつピクセルを白に、しきい値以下のピクセルを黒にします。 しきい値と輝度の差を誤差として拡散させていきます。

この処理の部分の抜粋です。
typedef struct {
	uint8_t  R;
	uint8_t  G;
	uint8_t  B;
} PIXEL_INFO;

void FloydSteinbergBinarize(PIXEL_INFO *rgb, uint32_t height, uint32_t width) {
	uint32_t   x, y, pos;
	const uint8_t threshold = 127;
	uint8_t    bw, luminance;
	int8_t     *error, e;
	PIXEL_INFO *imgpt;
	error = (int8_t *)malloc(width * height);
	memset(error,0x00,width * height);

	imgpt = rgb;
	for (y=0; y < height; y++) {
		for (x=0; x < width; x++) {
			pos = width * y + x;
			luminance = imgpt->R + error[pos];
			if (threshold < luminance) {
				bw = 255;
			} else {
				bw = 0;
			}
			e = luminance - bw;

			if ((x+1)<width) {
				pos = width * y + (x + 1);
				error[pos] += (uint8_t)(e * 7/16);
			}
			if ( ((x-1)>=0) && ((y+1)<height) ) {
				pos = width * (y + 1) + (x - 1);
				error[pos] += (uint8_t)(e * 3/16);
			}
			if ((y+1)<height) {
				pos = width * (y + 1) + x;
				error[pos] += (uint8_t)(e * 5/16);
			}
			if ( ((x+1)<width) && ((y+1)<height) ) {
				pos = width * (y + 1) + (x + 1);
				error[pos] += (uint8_t)(e * 1/16);
			}
			imgpt->G = bw;
			imgpt++;
		}
	}
	free(error);

	imgpt = rgb;
	for (y=0; y < height; y++) {
		for (x=0; x < width; x++) {
			imgpt->R = imgpt->G;
			imgpt->B = imgpt->G;
			imgpt++;
		}
	}
}

void shiftBit(IMAGE_INFO *img, uint8_t sR, uint8_t sG, uint8_t sB) {

	int        x,y;
	PIXEL_INFO *imgpt;

	imgpt = img->RGBs;
	for(y=0; y < img->Height; y++){
		for(x=0; x < img->Width; x++){
			imgpt->B = imgpt->B >> sB;
			imgpt->G = imgpt->G >> sG;
			imgpt->R = imgpt->R >> sR;
			imgpt++;
		}
	}
}
誤差というのは、グレースケール化した輝度の値を、しきい値で二値化したときの、輝度と白あるいは黒との差分です。 この誤差を隣接するピクセルに対して、一定の拡散比率で加算していきます。 これを繰り返すことでディザリングを行います。

グレースケール画像に、フロイト-シュタインバーグ・ディザリングを適用した二値化処理を行うと下記の画像が得られます。


■2.ガンマ補正を考慮した、RGB加重平均によるグレースケール化と二値化
「色」を扱うディスプレイ、プリンタ、スキャナなどの各機器には固有の発色特性があり、 入力された色情報をそのまま出力できません。この入出力における発色特性のことを「ガンマ特性」といいます。 通常、ディスプレイ(CRT)のガンマ特性は中間調が暗くなる傾向にあります。 そこで事前に中間調を明るくしたデータ信号に加工して、「入力:出力」のバランスを「1:1」に近づけることで、色情報を正確にやり取りできるようにします。 ディスプレイ側のガンマ特性に合わせて、色情報を調整して帳尻を合わせる仕組みを「ガンマ補正」と呼びます。

Ref.EIZO 第7回 "曲線美"が色再現性の決め手になる?

ブラウン管のガンマ特性は、sRGBのガンマカーブ、gamma=2.2で近似されます。
y = x2.2 (x, y は 0~1 に正規化)

※sRGBは、1998年に国際電気標準会議 IECが策定した色空間の国際基準です。ソフト、ディスプレイ、プリンタ、デジタルカメラなどがsRGB対応であれば、撮影した写真を画面で見た色で印刷できます。
補足すると、昔のブラウン管テレビが陰極管の物理特性により入力信号の電圧に対して出力する輝度が比例しなかった(陰極管特性)ので、送信側で補正していました。 液晶ディスプレイの輝度出力にガンマ特性は存在しませんが、互換性が考慮されています。

このガンマ特性を相殺するために、元画像には逆ガンマ補正が掛かっています。
y = x(1/2.2) (x, y は 0~1 に正規化)

グレースケール化する前に、色情報に施されているガンマ補正を外して、輝度と色情報を線形化(linear-RGB 化)させます。
y = x2.2 (x, y は 0~1 に正規化)

void gammaCorrect(PIXEL_INFO *rgb, uint32_t height, uint32_t width, float gamma) {

	uint32_t   x, y;
	float      Rval, Gval, Bval;
	for(y=0; y < height; y++){
		for(x=0; x < width; x++){
			Rval = (float)rgb->R / 255;
			Gval = (float)rgb->G / 255;
			Bval = (float)rgb->B / 255;
			rgb->R = (uint8_t)(pow(Rval,gamma) * 255);
			rgb->G = (uint8_t)(pow(Gval,gamma) * 255);
			rgb->B = (uint8_t)(pow(Bval,gamma) * 255);
			rgb++;
		}
	}
}

gammaCorrect(img->RGBs, img->Height, img->Width, 2.2);


元画像とガンマ補正後の画像を比較してみます。 輝度とRGB値が線形化され、明るく補正されていた元画像の中間調の輝度が低くなっています。

BT.709系画像処理におけるグレースケール化
デジタル放送やsRGBをグレースケール化する際には、BT.709の加重平均が用いられます。 BT.709は、高精細テレビジョン放送のエンコードと信号特性について制定された標準規格です。
luminance = (R * 0.2126) + (G * 0.7152) + (B * 0.0722)



先程と同様に、フロイト-シュタインバーグ・ディザリングを適用した二値化処理を行います。


ちなみに、グレースケール化した画像を二値化せずに、逆ガンマ補正するとこんな感じになります。
y = x(1/2.2) (x, y は 0~1 に正規化)



■3.ガンマ補正なしのRGB加重平均によるグレースケール化
SDTV規格 BT.601では、ガンマ補正が施されたまま R,G,B を加重平均します。OpenCVやPILのGrayscale化にはこの加重平均が使われているようです。
luminancee = (R * 0.299) + (G * 0.587) + (B * 0.114)


二値化します。


■補足:Weber–Fechner(ヴェーバー‐フェヒナー)の法則
人間の感覚は刺激の物理強度に線形ではなく、その対数に適応していて、Weber–Fechner(ヴェーバー‐フェヒナー)の法則として知られています。
人の目は低輝度の変化に敏感であり、高輝度には鈍感です。そのため、被写体を撮影画像ファイル等のRGB値は、通常ガンマ補正という処理が行われ、視覚的に魅力的な画像を作り上げています。

■参考文献
ガンマ補正のうんちく
画像の誤差拡散による2値化 ~ガンマ値考慮Ver.+~

 Raspberry Pi(ラズベリー パイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。イギリスのラズベリーパイ財団によって開発されている。
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