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自作デジカメ参号機・雑談
2024.04.08

YouTube でも紹介しています。画像をクリックすると再生できます。

デジカメ弐号機の使い勝手がよくなかったので、参号機を制作しました。 今回はプログラムの解説はなく、ちょっとした雑談です。

●自作カメラの遍歴

●ArduCam 初号機 2020.10.27
ArduCam Mini 2MP を使った記念すべき初号機です。

初号機には被写体を確認するモニターがありませんでした。黄色い枠がファインダーで、これを通して被写体の位置を確認していました。
第5回自作デジカメ初号機完成

ArduCAM Mini 2MP カメラモジュール
ArduCam Mini 2MP は、オムニビジョン OV2640 2Mピクセルレンズを搭載したカメラモジュールです。 3Mb(384KB)のフレームバッファを搭載しています。レンズマウントはM12マウントで交換も可能です。
販売:秋月電子通商

【主な仕様】
電源電圧:DC5V
消費電流:ノーマル70mA、ローパワーモード20mA
フレームバッファ:384KB
出力解像度: 1600×1200、800×600、
640×480、320×240、
352×288、176×144
出力形式:RAW、YUV、RGB、JPEG
基板サイズ:34×24mm
サイズ:40×24×33mm(厚みはレンズに依存)


ArduCAM Mini 2MPには、標準でM12マウントのピンホールレンズが装着されていました。ピンぼけすることもなく、被写体を撮影することができています。

夜間の屋外撮影では、街灯の照明程度の明るさでも撮影でき、雰囲気のある写真に仕上がります。

●京セラ feelH Treva カメラ 2022.8.12
ArduCam 弐号機との間に作ったのがこのカメラです。


うぷ主は当時の状況を把握していないのですが、2000年9月22日,DDIポケットはデジカメを装着できるPHS「feel H"」を発表したそうです。

そして、feel H"端末専用の小型デジタルカメラユニットが「Treva(トレバ)」です。
■Treva(型番:HC-D01)の主な仕様
製品名 HC-D01 「Treva」
撮像素子 1/4型CMOSセンサー
画像出力サイズ 横96×縦72ピクセル
レンズ 固定焦点(撮影距離範囲:30センチ~無限遠)
露出・ホワイトバランス 自動
インタフェース 2.5ミリ4ピンプラグ
電源 端末から供給
本体サイズ 約30(幅)×16(高さ)×32(厚さ)ミリ
重量 約10グラム


デジカメの先駆けといえる時代、この小さな画像に思い出が刻まれていったのでしょう。

●ArduCam 弐号機 2022.12.17
ここで、自作弐号機の登場です。

デジカメ弐号機 第6回 完成
ArduCam 初号機ではマイコンにArduino NANOを使用しており、被写体画像は640x480ピクセルのJPEG画像として保存していました。
弐号機ではマイコンにESP32-S2を実装し、ArduCamのJPEG画像をBMP画像に変換して、サーマルプリンタへの印刷を考慮して384x384ピクセルのスクウェア画像として保存するようにしました。
写真ではM12レンズに防犯カメラ用 M12 IR-CUT カメラフィルタースイッチャーを取り付けています。


ArduCam Mini 2MP のM12ピンホールレンズを赤外線透過レンズに交換して撮影してみました。
室内撮影では割といい感じに撮影できたのですが、屋外撮影ではモニターに表示された画像と保存した画像が著しく異なる問題が発生しました。
弐号機では被写体撮影と保存方法は下記のようにしていました。

被写体確認のときは320x240(BMP)でキャプチャーして、中央部分の240x240を抽出してモニターに表示しています。 ArduCam OV2640では、解像度320x240の場合のみBMP形式(Color565)で画像を取得することができるようです。
シャッターを押すと、640x480(JPEG)でキャプチャーしなおしてBMP画像に変換、中央部分の384x384を抽出してSDカードに保存しています。
画像の取得形式をBMP形式からJPEG形式に変更した直後はArduCamのセンサーが不安定になり、屋外撮影ではその影響が顕著に現れたのかもしれません。 そこで参号機の登場になります。

●ArduCam 参号機 2024.4.8
参号機では最初から640x480ピクセルのJPEG形式で被写体をキャプチャーしてBMP画像に変換してメモリに保存します。
メモリ上のこの画像から、さらに中央部分240x240ピクセルの領域をモニター表示しています。 シャッターを押すと、メモリー上のBMP画像から中央部分の384x384ピクセルを抽出してBMP画像形式でSDカードに保存します。
さらに参号機では、OTA(Over the Air)機能によるプログラムの遠隔更新、TELNET接続でのログ表示、 シャッターボタンを押した状態で電源をいれると、FTP Serverが起動して、画像ファイルの転送が可能になっています。
FTP Server & SPI Flash SD


1年ほど前から、ブレッドボートという箱庭に回路を集約することに美を求める傾向が強まりました。 弐号機を分解して、ブレッドボード上に立体的に再配置したのが参号機です。

Micro:bit風なユニバ基板とmicro:bit breadboard breakout board by Kitronikを活用してブレッドボード上の配線を簡素化しています。
オリジナルmicro:bit

今回の撮影には、Arducam Mega 3MP SPIカメラモジュールに装着されているM12IRカットフィルターなしのレンズを取り外して使用しています。

直射日光の入らない室内で撮影すると、普通のレンズとあまり変わりませんが、ランプの熱の広がりがやわらかいに感じられます。


このところ多忙であまり外出できません。適当に撮影しても割と絵になる定番、電柱です。雨模様の夕方に撮影しました。

【補足】

●Adafruit QT Py ESP32-S2 WiFi Dev Board with STEMMA QT
このマイコンボードは、2MBのPSRAMを実装しているので、640x480ピクセルのRGBデータをメモリ上で管理することが可能です。
・ESP32-S2 240MHz
・4 MB Flash & 2 MB PSRAM
・2.4 GHz Wi-Fi (SoC)
・Two I2C ports
・Hardware UART
・Hardware SPI
・Hardware I2S on any pins
・3.3V regulator with 600mA peak output
Adafruit QT Py ESP32-S2

●Qt Py ESP32-S2 Pinout


■配線
 PCF8523 - ESP32S2 - ArduCam - ST7789 - microSD 
A0- CS (P1)
A1- ------ - D/C (P19)
A2- ------ - TCS (P15)
A3- ------ - ------ - CS
 SDA - SDA- SDA (P7)
 SCL - SCL- SCL (P8)
A6(TX)- LED - 1KΩ - GND
A7(RX)- SWITCH - 10KΩ - GND
SCK- SCLK (P4)- SCK (P12)- CLK
MISO- MISO (P3)- MISO (P13)- SO
MOSI- MOSI (P2)- MOSI (P14)- SI
 VIN -3.3V- VCC - Vin - 3.3V
 GND - GND- GND - GND - GND
5V ← 1N5817 - BATTERY(5V)

 Raspberry Pi(ラズベリー パイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。イギリスのラズベリーパイ財団によって開発されている。
2020.05.28 画像処理 第1回トイカメラ
2020.06.09 画像処理 第2回カメラモジュール制御
2020.06.28 画像処理 第3回リアルタイムクロック
2020.07.08 画像処理 第4回電源回路
2020.10.27 画像処理 第5回自作デジカメ初号機完成
2020.11.10 画像処理 第6回ドーナツデジカメ
2021.05.16 画像処理・基本変換
2021.07.10 M5Stackアプリの移植
2022.04.04 減色処理 雑談
2022.04.18 減色処理 均等量子化法とK平均法
2022.05.04 減色処理 グレースケール・二値化
2022.05.18 減色処理 二値化画像印刷
2022.08.12 京セラ feelH” Treva カメラ
2022.10.15 デジカメ弐号機 1.仕様変更
2022.10.21 デジカメ弐号機 2.SDカードとRTC
2022.11.04 デジカメ弐号機 3.SPI DISPLAY
2022.11.18 デジカメ弐号機 4.ストリーミング
2022.12.02 デジカメ弐号機 5.機能統合
2022.12.17 デジカメ弐号機 6.完成
2023.05.15 アナログ風ゲージ
2023.06.01 ADS1115デジタル電圧計
2023.10.01 立体視(ステレオグラム)
2024.04.08 自作デジカメ参号機・雑談


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