Telnet
2023.03.01
YouTube でも紹介しています。画像をクリックすると再生できます。
今回は、TelnetによるWiFi無線通信を行います。
Telnetは、IPネットワークを通じて別のコンピュータにアクセスし、遠隔操作するための通信規約の一つです。
■Telnetの活用イメージ
Telnetにより、こどもパソコン IchigoJamを遠隔操作します。
●ノートパソコン上でTeraTermを起動して、ESP32とTelnet接続します。
●ノートパソコンからESP32へ送られたデータは、UART接続を介してIchigoJamに送られます。
●IchigoJamからのテキスト出力はUART接続を介してESP32に送られ、Telnet接続によりノートパソコンに送信されます。
■テスト用動作環境
●ノートパソコン上でTeraTermを起動して、ESP32とTelnet接続します。
●ノートパソコン上でもう1つTeraTermを起動して、ラズベリーパイとSSH接続、ラズベリーパイ上でシリアル通信アプリを起動し、ESP32とUART接続します。
●ノートパソコンからESP32へ送られたデータはシリアル通信によりラズベリーパイに送られSSH接続されているTeraTermの画面に表示します。
●ラズベリーパイからESP32にシリアル通信で送られたデータを、TelnetによりノートパソコンのTeraTerm画面に表示します。
右側のパソコンにTeraTermを2つ起動しています。
上段が、ESP32とTelnet接続、下段がRaspberry PiとSSH接続した状態です。
■使用した機材
●Raspberry Pi 3 model B
普段使っている Raspberry Pi 3 model B です。PIMORONI の Nano HAT Hackerを使って、GPIOを分岐させ、Piano Hat を被せています。
USBケーブルの上の端子には、音楽のはいったUSB SDカードリーダを挿しています。
$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Raspbian
Description: Raspbian GNU/Linux 10 (buster)
Release: 10
Codename: buster
●Adafruit QT Py ESP32-S2 WiFi Dev Board with STEMMA QT
・ESP32-S2 240MHz Tensilica processor
・4 MB Flash & 2 MB PSRAM
・2.4 GHz Wi-Fi System-on-Chip (SoC)
・3.3V regulator with 600mA peak output
Qt Py Pinout
QT Py ESP32-S2 の詳細は下記をご覧ください。
Adafruit QT Py + XIAO Expansion board
■基本的なソースコード
Telnetによる通信制御のプログラム基本形です。
#include "datalink.h"
#include <WiFi.h>
WiFiServer server(23);
WiFiClient client;
void setup() {
Serial1.begin(115200);
WiFi.config(LOCAL_IP, GATEWAY, SUBNETMASK, PRIMARY_DNS);
WiFi.begin(SECRET_SSID, SECRET_PASS);
while (WiFi.status() != WL_CONNECTED) {
Serial1.print(".");
delay(100);
}
server.begin();
}
void loop() {
client = server.available();
if (client) {
while (client.connected()) {
if (client.available()) {
Serial1.write(client.read());
}
}
client.stop();
}
}
※datalink.h では、LOCAL_IP, GATEWAY, SUBNETMASK, PRIMARY_DNS, SECRET_SSID, SECRET_PASS を定義しています。
setup()関数では、WiFi接続を確立して、Telnet23番ポートでサーバを起動しています。
loop()処理で、クライアント側からのデータを受け取ると、そのままクライアント側に戻します。
ソースコードのビルドには、PlatformIOを使用しています。
Arduino開発環境構築 PlatformIO
ビルドして、QT Py ESP32-S2 に書き込みます。
$ pio run -e adafruit_qtpy_esp32s2 -t upload
ノートパソコンから、Raspberry Pi にSSH接続し、シリアルモニターを起動して、ESP32とシリアル通信を行います。
前回動画のIchigoJam互換機作成の際に、ファームウェア書込みツールとして使った lpc21isp は、シリアルモニターとしても使えます。
$ lpc21isp -termonly /dev/ttyAMA0 115200 12000
Raspberry Pi側でシリアルモニターを起動後に、ノートパソコン側のTeraTermでESP32にTelnet接続すると、モニター画面に文字化けされたコードが表示されます。
しかし、ループバックされるノートパソコン側のTeraTerm端末にはなにも表示されません。
そこで、この文字化けされたコードをログファイルに落として確認します。
$ lpc21isp -termonly -logfile /dev/ttyAMA0 115200 12000
lpc21isp.logをバイナリ・エディタで開いてみます。
調べてみると、これはクライアントとサーバー間でのTelnetセッション確立時のネゴシエート情報であることがわかります。
ここには、ターミナル速度、エコー、Go Ahead 抑止、ウィンドウ サイズ、リモート フロー制御などの情報が含まれます。
Telnet プロトコル
つまり、ESP32側からエコーバックされたネゴシエーション情報は、エミュレータであるTeraTermで解釈され、画面には表示されないということで理解できます。
Telnetプロトコルの詳細は、RFC 854 (Telnet プロトコル仕様)をみればよいのですが、面倒なのでコードから検討をつけます。
識別コード0xFFで始まる次のコードが属性で、属性ごとにそれに続く属性値の長さが決まっているようです。
FF F0
FF FA 1F 00 50 00 14
FF FB 18
FF FC 01
FF FD 03
FF FE 18
次のプログラムでは、クライアント側から受け取ったデータがネゴシエーション情報の場合のみ、クライアント側にループバックし、それ以外のときは、Raspberry PiからのUART接続により受け取ったデータをクライアント側に送信するようにしています。
このネゴシエーション情報をループバックしないと、クライアント側に送られてくるデータは一括送信となり改行コードが入力されるまで端末に表示されません。
#include "datalink.h"
#include <WiFi.h>
WiFiServer server(23);
WiFiClient client;
void setup() {
Serial1.begin(115200);
WiFi.config(LOCAL_IP, GATEWAY, SUBNETMASK, PRIMARY_DNS);
WiFi.begin(SECRET_SSID, SECRET_PASS);
while (WiFi.status() != WL_CONNECTED) {
Serial1.print(".");
delay(100);
}
server.begin();
}
int getClientChar() {
while(1) if(client.available()) return client.read();
}
void loop() {
static int c;
client = server.available();
if (client) {
while (client.connected()) {
if (client.available()) {
c = getClientChar();
if (c==0xFF) {
client.write(c);
c = getClientChar();
client.write(c);
switch(c) {
case 0xF0:
break;
case 0xFA:
for(int i=0;i<5;++i) client.write(getClientChar());
break;
default:
client.write(getClientChar());
break;
}
} else {
Serial1.write(c);
}
}
if (Serial1.available() > 0) {
client.write(Serial1.read());
}
}
client.stop();
}
}
上段のクライアント側で、12345 と打ち込むと、下段のサーバ側にその文字が表示され、
逆に下段のサーバ側で abcde と打ち込むと、上段のクライアント側にその文字が表示されます。
■IchigoJam互換機につないでみる
IchigoJam互換機
ESP32 QT Py の TX、RX、GND を IchigoJam LPC1114の RX、TX、GND につなぎます。
※IchigoJam互換機に使用しているMARY-MB(LPC1114FHN33/301)からQT Pyに電力供給したいところですが、
MARY-MBの3.3V電源は、CP2104内蔵の電圧レギュレータから供給されています。
このレギュレータの最大供給電流は100mAですが、CP2104自体が17mA消費しているので、
CP2104の外部に供給できるのは、80mA程度です。
パソコンのTeraTermを起動して、ESP32S2 QT Py に Telnet接続します。
TeraTerm の設定で、Local echo をチェックします。
無事に、ノートパソコンからWiFiを使ったTelnet接続で、ESP32を介して IchigoJam を制御することができました。
■参考文献
・実験コラム・ESP32を使ってみた
|
Raspberry Pi(ラズベリー パイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。イギリスのラズベリーパイ財団によって開発されている。
Arduinoで学ぶ組込みシステム入門(第2版)
●Arduinoを使って組込みシステム開発を理解する
・ハードウェアやソフトウェアなどの基礎知識/
・設計から実装までを系統的に説明するモデルベース開発/
・Arduinoを用いた実際の開発例
最新 使える! MATLAB 第3版
◆◆すぐに「使える!」 全ページフルカラー!◆◆
・MATLAB R2022bに対応し、解説もより詳しく!/
・コマンド・スクリプトの例が豊富で、動かして学べる!/
・超基本から解説。これから使いはじめる人にぴったり!/
・全編フルカラー、スクリーンショットも豊富!
Amazon Web Services基礎からのネットワーク&サーバー構築改訂4版
1.システム構築をインフラから始めるには/
2.ネットワークを構築する/
3.サーバーを構築する/
4.Webサーバーソフトをインストールする/
5.HTTPの動きを確認する/
6.プライベートサブネットを構築する/
7.NATを構築する/
8.DBを用いたブログシステムの構築/
9.TCP/IPによる通信の仕組みを理解する
C言語は第二の母国語: 独学学生時代から企業内IT職人時代に培った、独立のための技術とノウハウ 平田豊著
学生時代から独学でプログラミングをはじめ、企業内でデバイスドライバを開発し、そして独立後もたくさんのアプリケーション開発や技術書制作に携わってきた著者。その筆者が大事に使い続ける「C言語」の“昔と今”について、気づいたことや役立つ知識、使ってきたツールなどについて、これまで記してきたことを整理してまとめました。
本書では、現役プログラマーだけでなく、これからプログラミングを学ぶ学生などにも有益な情報やノウハウを、筆者の経験を元に紹介しています。
1冊ですべて身につくJavaScript入門講座
・最初の一歩が踏み出せる! 初心者に寄り添うやさしい解説
・最新の技術が身につく! 今のJavaScriptの書き方・使い方
・絶対に知っておきたい! アニメーションとイベントの知識
・プログラミングの基本から実装方法まですべて学べる
図解! Git & GitHubのツボとコツがゼッタイにわかる本
ソフトウェア開発では欠かすことのできないGit、GitHub。
これからGit、GitHubを使いたいという入門者の方でも、実際に手を動かしながら使い方を学べます。
C自作の鉄則!2023 (日経BPパソコンベストムック)
メーカー製のパソコンはスペックが中途半端で、自分が本当に欲しい機種がない――。そう思っている人には、ぜひ自作パソコンをお薦めします。自作パソコンのパーツは進化が速く、しかも驚くほど種類が豊富。価格も性能も、幅広く用意されているため、満足度100%の“自分だけの1台”を手に入れることができます。
Interface 2023年6月号
特集:第1部 フィルタ設計 基礎の基礎/
第2部 係数アプリや波形観測アプリで合点!FIR&IIRフィルタ作り/
第3部 配布プリント基板で体験!マイコンで動くフィルタ作り
日経Linux 2023年5月号
【特集 1】 AI時代の最強フリーソフト ~ 25のやりたいを実現!
【特集 2】 AWS、Azureのうまみを無料で体感!面倒なことはクラウドに任せよう
【特集 3】 新しいRaspberry Pi Cameraで遊んでみよう
【特集 4】 Linuxで旧型PCを復活! 1kg切るモバイルPCを「ChromeOS Flex」でChromebook化
ラズパイマガジン2022年秋号
特集:5大人気ボード 電子工作超入門
「半導体不足で在庫が不足し、電子工作のボードがなかなか買えない…」。そんな今にふさわしい特集を企画しました。5種の人気ボードにすべて対応した電子工作の入門特集です。「GPIO」や「I2C」を使った電子パーツの制御方法は、どのボードでも同じです。手に入れられたボードを使って、今こそ電子工作を始めましょう。
地方で稼ぐ! ITエンジニアのすすめ
学歴、理系の知識、専門スキル……全部なくてもITエンジニアになれる!
地方でも高収入でやりがいをもって働ける!ITエンジニアの魅力を一挙大公開
Raspberry Piのはじめ方2022
本書は、ラズパイやPicoの買い方やインストール、初期設定といった基本から、サーバー、電子工作、IoT、AIといったラズパイならではの活用方法まで、1冊でお届けします。
ラズパイをこれから始める方向けに、全36ページの入門マンガ「女子高生とラズベリーパイ」も巻末に掲載。これを読むだけでラズパイがどんなものなのか、すぐに分かって触れるようになります。
ハッカーの学校 IoTハッキングの教科書
生活にとけこみ、家電機器を便利にするIoT技術。
Webカメラなど、便利の裏側に潜むセキュリティの危険性をハッキングで検証。
専門家がパケットキャプチャからハードウェアハッキングまで、その攻撃と防御を徹底解説。
本書は2018年7月に刊行された「ハッカーの学校IoTハッキングの教科書」に一部修正を加えた第2版です。
攻撃手法を学んで防御せよ! 押さえておくべきIoTハッキング
本書は、経済産業省から2021年4月にリリースされた、IoTセキュリティを対象とした『機器のサイバーセキュリティ確保のためのセキュリティ検証の手引き』の『別冊2 機器メーカに向けた脅威分析及びセキュリティ検証の解説書』をもとに、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説しました。
ポチらせる文章術
販売サイト・ネット広告・メルマガ・ブログ・ホームページ・SNS…
全WEB媒体で効果バツグン!
カリスマコピーライターが教える「見てもらう」「買ってもらう」「共感してもらう」すべてに効くネット文章術
プログラマーは世界をどう見ているのか 西村博之著
イーロン・マスク(テスラ)、ジェフ・べゾス(Amazon)、ラリー・ペイジ(Google)…etc.
世界のトップはなぜプログラマーなのか?
ニーア オートマタ PLAY ARTS改 <ヨルハ 二号 B型 DX版> PVC製 塗装済み可動フィギュア
「NieR:Automata」より、ヨルハ二号B型こと2BがPLAY ARTS改に新たに登場!
高級感の感じられるコスチュームや髪の質感、洗練されたボディバランス、細かなデティールに至るまでこだわり抜かれた逸品。
DX版には通常版のラインナップに加え2Bの随行支援ユニット ポッド042などをはじめ“純白の美しい太刀"白の約定やエフェクトパーツ、自爆モードを再現できる換装用ボディパーツ、シーンに合わせて変えられる顔パーツ2種も付属する豪華な仕様に。
作中のあらゆるシーンを再現することが可能なファン必見の一品となっている。
Newtonライト2.0 ベイズ統計
ベイズ統計は,結果から原因を推定する統計学です。AIや医療などの幅広い分野で応用されています。その基礎となるのは18世紀に考えだされた「ベイズの定理」です。
この本では,ベイズ統計学のきほんをやさしく紹介していきます。
白光(HAKKO) ダイヤル式温度制御はんだ吸取器 ハンディタイプ FR301-81
無水エタノールP 500mlx2個パック(掃除)
ケイバ(KEIBA) マイクロニッパー MN-A04
サンハヤト SAD-101 ニューブレッドボード
白光(HAKKO) HEXSOL 巻はんだ 精密プリント基板用 150g FS402-02
[Amazon限定ブランド]【指定第2類医薬品】PHARMA CHOICE 解熱鎮痛薬 解熱鎮痛錠IP 100錠
|