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IchigoJam 互換機
2023.02.15

YouTube でも紹介しています。画像をクリックすると再生できます。

今回は、Telnet接続のテスト用にIchigoJam互換機を作りました。Telnet に関しては次回の掲載を予定しています。

●開発環境

ノートパソコンから、TeraTermによりラズベリーパイにSSH接続して操作します。 Raspberry Pi 3 model B を使用しています。

$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Raspbian
Description:    Raspbian GNU/Linux 10 (buster)
Release:        10
Codename:       buster
●lpc21isp のインストール
IchigoJamのファームウェアを書き込むツールとして、lpc21ispをインストールします。
$ wget https://sourceforge.net/projects/lpc21isp
/files/lpc21isp/1.97/lpc21isp_197.tar.gz

$ tar -xzvf lpc21isp_197.tar.gz
$ cd lpc21isp_197
$ make
$ sudo cp lpc21isp /usr/local/bin
$ sudo chown root:root /usr/local/bin/lpc21isp

●IchigoJam 1.4.3 のインストール
まずは、旧IchigoJamに使用されていたLPC1114FN28/102への書き込みをお行ってみます。
※現行のIchigoJam Rでは、RISC-V(GD32VF103CBT6)が搭載されています。

LPC1114FN28/102とUSBシリアル変換モジュールとの接続は下記の通りです。
FT232RL   LPC1114FN28/102
TXD - 15:RXD
RXD - 16:TXD
3V3 - 21:VCC
GND - 22:GND
DTR - 23:RESET
RTS - 24:ISP

ラズベリーパイに接続しているUSBシリアル変換モジュールのポートを確認します。
$ pio device list
/dev/ttyUSB0
------------
Hardware ID: USB VID:PID=1234 SER=5678 LOCATION=1-1.4
Description: FT232R USB UART - FT232R USB UART

/dev/ttyAMA0
------------
Hardware ID: 9012.serial
Description: ttyAMA0

IchigoJamのファームウェアをダウンロードして解凍します。
$ wget https://ichigojam.net/bin/ichigojam-1.4.3.zip
$ unzip ichigojam-1.4.3.zip

LPC1114へファームウェアを書き込みます。
$ lpc21isp -control -bin ichigojam-jp-ntsc-jpkbd.bin /dev/ttyUSB0 115200 12000
115200:書込みボーレート、12000:MCU動作周波数(kHz)
USB-シリアル変換FT232RLは、DTR→(PIO0_0:RESET)、RTS→(PIO0_1)に接続されているので、 自動リセットしてISPモードへ移行して書き込みが行われます。

lpc21isp version 1.97
File ichigojam-jp-ntsc-jpkbd.bin:
loaded...
image size : 24576
Image size : 24576
Synchronizing (ESC to abort). OK
Read bootcode version: 1
7
Read part ID: LPC1114.../102, 32 kiB FLASH / 4 kiB SRAM (0x1A40902B)
Will start programming at Sector 1 if possible, and conclude with Sector 0 to ensure that checksum is written last.
Erasing sector 0 first, to invalidate checksum. OK
Sector 1: ................|...............|...............|...............
Sector 2: ................|...............|...............|...............
Sector 3: ................|...............|...............|...............
Sector 4: ................|...............|...............|...............
Sector 5: ................|...............|...............|...............
Sector 0: ................|...............|...............|...............
Download Finished16 seconds
Now launching the brand new code

●MARY-MB へのインストール

トランジスタ技術増刊「組み合わせ自在!超小型ARMマイコン基板」通称MARY(MCU ARRAY)です。 IchigoJamには、MCUにNXPセミコンダクターズのLPC1114FN28/102を使用していますが、MARY-MBにはLPC1114FHN33/301が搭載されています。 MARY-MBの内蔵メモリは4Kバイト多い8Kバイト、GPIOも22本から28本に増えていますが、メモリ・マップをざっとみたところ、 SRAMやペリフェラルのアドレスに違いはなく、基板上にUSB-シリアル変換IC CP2104 が実装され省スペース化が図れることから、 IchigoJam互換機はこのMARY-MBを使って作成することにしました。


各種コネクタにヘッダーピンをはんだ付けします。 コネクタCN1は、電源系の端子が集まっているので、これをブレッドボードに挿せるように、L型ヘッダーピンをはんだ付けしています。

オンボードのUSBシリアル変換モジュール CP2104 は lpc21isp と相性が良くないので、書き込みには、FT232RL を用いてコネクタピンに接続しています。


FT232RL   LPC1114FN28/102MARY-MB
TXD - 15:RXD (PIO1_6)CN2-7
RXD - 16:TXD (PIO1_7)CN6-4
3V3 - 21:VCC (Vdd )CN6-3
GND - 22:GND (Vss )CN6-1
DTR - 23:RESET(PIO0_0)CN5-3
RTS - 24:ISP (PIO0_1)CN2-8
この表では、LPC1114FN28/102で使用しているGPIOピン番号から、該当するMARY-MBのコネクタを割り出しています。

先程と同様に書き込みを行います。
$ lpc21isp -control -bin ichigojam-jp-ntsc-jpkbd.bin /dev/ttyUSB0 115200 12000
lpc21isp version 1.97
File ichigojam-jp-ntsc-jpkbd.bin:
loaded...
image size : 24576
Image size : 24576
Synchronizing (ESC to abort). OK
Read bootcode version: 0
7
Read part ID: LPC1114.../301, 32 kiB FLASH / 8 kiB SRAM (0x0444102B)
Will start programming at Sector 1 if possible, and conclude with Sector 0 to ensure that checksum is written last.
Erasing sector 0 first, to invalidate checksum. OK
Sector 1: ...............................................
Sector 2: ...............................................
Sector 3: ...............................................
Sector 4: ...............................................
Sector 5: ...............................................
Sector 0: ...............................................
Download Finished... taking 13 seconds
Now launching the brand new code

補足
lpc21isp では、LPC1114FN28/102のコードを、LPC1114FHN33/301に書き込むことができましたが、 書込みツール Flash Magic は、コードのビルド時に指定したチップと書き込み先のチップのシグネチャをチェックしていて、異なるチップへの書き込みはできないようです。

IchigoJam の回路図をもとに、MARY-MBを使ってIchigoJam互換機を組み立てます。

(出典:ボクにもわかる IchigoJam用 マイコンボード互換機)



IchigoJam LPC1114MARY-MB拡張コネクタ
VIDEO1 PIO0_8[ 1]CN4[5] - 470Ω - HOT(VIDEO)
VIDEO2 PIO0_9[ 2]CN4[7] - 100Ω - HOT(VIDEO)
LED PIO1_5[14]CN2[4] - 1KΩ - 赤色LED - GND
CN1[1,2]:GND
CN1[3,4]:Vcc5
CN1[5,6]:Vcc33
KBD1 PIO0_7[28] CN3[8] - PS/2 KEYBOARD CLK[5]
KBD2 PIO0_3[26] CN3[2] - PS/2 KEYBOARD DATA[1]
SND PIO0_2[25] CN3[3] - 1KΩ - 圧電ブザー GND


サンハヤトのブレッドボード1枚に収まっています。


裏面はこんな感じです。

●IchigoJam互換機の動作確認
IchigoJam互換機をラズベリーパイにUSB接続します。

MARY-MBの真ん中にあるブルーのLEDが点灯して綺麗です。

まず、接続ポートを確認します。
$ pio device list
/dev/ttyUSB0
------------
Hardware ID: USB VID:PID=1234 SER=5678 LOCATION=1-1.4
Description: CP2104 USB to UART Bridge Controller - CP2104 USB to UART Bridge Controller

/dev/ttyAMA0
------------
Hardware ID: 9012.serial
Description: ttyAMA0

lpc21isp はターミナルとしても使えます。
$ lpc21isp -termonly -localecho -control /dev/ttyUSB0 115200 12000



sin(90)
と打ち込むと、256の値が返されるところも、こどもパソコンでプログラミングするうえで配慮されているようです。
led 1
LED制御では、なぜかMARY-MB中心のLEDが消え、ブレッドボードに配置した赤色LEDが点灯しました。

補足:UART接続
USBシリアル変換を介さずに直接ラズベリーパイとUART接続しても同様に操作できます。
Raspberry PiMARY-MB拡張コネクタ
8:TXD - RXD (PIO1_6) CN2-7
10:RXD - TXD (PIO1_7) CN6-4

$ lpc21isp -termonly -localecho -control /dev/ttyAMA0 115200 12000

■参考文献
ファームウェアの更新
LPC1114 LPC1114FN28 / mbed 開発を platformio を使ってやる
Raspberry Pi mbed環境(LPC1114FN28)を試してみる
 Raspberry Pi(ラズベリー パイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。イギリスのラズベリーパイ財団によって開発されている。
2019.12.13 モバイルバッテリーによる瞬間停電対策
2020.01.01 1280x800 HDMI MONITOR
2020.01.12 micro:bitをコマンドラインで使う
2020.02.04 サーマルプリンタを使う
2020.04.10 電卓を制御して数字を表示する
2020.08.03 Seeeduino XIAO
2020.08.09 LGT8F328P - Arduino clone
2020.09.18 電流計測モジュール INA219
2021.02.16 癒しの電子回路
2021.03.06 疑似コンソール
2021.08.08 電子ペーパー
2021.09.04 AVRマイコン・ATTiny85
2021.09.25 pH測定
2021.11.13 NTP時刻取得と活用
2021.11.27 GPS情報取得
2021.12.11 GR-KURUMI
2021.12.25 ATMEGA328P 3.3V/8MHz
2022.01.11 AS-289R2 プリンタシールド
2022.01.25 TM1637 & ATtiny85
2022.02.22 Raspberry Pi Zero 小道具
2022.03.01 ATTinyCore
2022.03.18 Adafruit QT Py + XIAO Expansion board
2022.07.31 サーマルプリンター番外編:通信筒
2022.09.03 l' art en circuit (回路でアート)
2023.01.01 FTP Server & SPI Flash SD
2023.02.01 LPC810(ARM Cortex-M0+)
2023.02.15 IchigoJam互換機
2023.03.01 Telnet
2023.04.26 USBメモリをUART接続で利用する
2023.05.14 焦電型赤外線モーションセンサー
2023.07.01 文字化けしないキーボード
2023.08.01 Bluetoothサーマルプリンター
2023.08.12 LattePanda 2G/32GB
2023.09.04 SI-3012KS
2023.12.01 疑似コンソール(C言語編)
2023.12.16 昭和レトロ・温度湿度時刻計
2023.12.25 二酸化炭素濃度監視
2024.01.23 なんちゃってmicro:bit
2024.02.07 オリジナル micro:bit
2024.02.23 ESP32 OTA
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