ナダ電子 AS-289R2プリンタシールド
2022.01.11
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今回はナダ電子のサーマルプリンタシールド AS-289R2 を使って、ソースコードを印刷してみました。
幅58mmのロール紙に、1行384ドット、幅8ドットのANK文字を使用すれば、48文字印刷することができます。
外出先でのちょっとした空き時間でのデバック作業にいかがでしょうか?
■AS-289R2プリンタシールド
●印字方式:ラインサーマル方式
●入力電圧:5V±5%
●平均電流:約2A(印字率25% 2分割時)
●I/F:
・3.3V or 5Vレベル(JP5切替)
・9600 or 38400bps(JP6切替)
・Serial or Serial2(JP4切替)
・8Bit NonParity 1Stop
●ドット密度(ドット総数):8ドット/mm(384ドット/ライン)
●印字速度:約25mm/秒
●印字有効幅:48mm
●文字種類:
・UTF8
・ANK JIS160文字
・第一水準漢字2965文字(漢字 JIS C 6226-1983準拠)
・第二水準漢字3388文字(漢字 JIS C 6226-1983準拠)
・JIS非漢字524文字
・大文字0~9、A~Zの36文字
●文字のサイズ(H×W):
・8×16ドット:ANK
・12×24ドット:ANK(電源投入時ANK初期値)
・16x16ドット:ANK、第一水準漢字、第二水準漢字
・24×24ドット:ANK、第一水準漢字、第二水準漢字(電源投入時漢字初期値)
・48×96ドット:0-9、A-Z
●バーコード:QR、JAN(13,8)、2of5(ITF)、2of7(NW7)、3of9(CODE39)、UPC-A
●動作環境:
・温度0~50℃(但し印字保証は5~40℃)
・湿度35%~80%RH(非結露)
●信頼性:
・ヘッド寿命:50km
・MCBF:1500万行
●付属品:
・記録紙1巻 型番:NP-580(サーマルペーパー 幅:58mm 巻径:50mm 長さ:30m)
・電源ハーネス1本 型番:CB-1116(日本圧着端子製:VHR-2N 赤/黒 長さ:1m)
・記録紙ホルダ1対 型番:ND131-108
●RoHS:対応
■旧モデル(AS-289R)からの変更点
・旧モデルAS-289Rとは完全互換
・シリアルインターフェース(TTL)に、5Vの他に、3.3Vにも対応
・Arduino Serial2 入力を追加
・シリアル通信速度は9600bpsに加え、38400bpsを追加
・レベル変換せずに、mbedやRaspberry Pi、がじぇっとるねさす等でも使用可能
■内容物
・1 x 本体(型番:AS-289R2)
・1 x 電源ハーネス(型番:CB-1116)
・(日本圧着端子製:VHR-2N 赤/黒 長さ:1 m)
・1 x 記録紙(型番:NP-580)
(サーマルペーパー 幅:58 mm 巻径:50 mm 長さ:30 m)
・1 x 記録紙ホルダ(型番:ND131-108)
■電源
印刷時の消費電力が大きいため、USBからの給電では印刷できません。 5V3A以上のACアダプタをプリンタに接続します(※プリンタからArduinoに5Vを供給することも可能)。
共立プロダクツ WA-05400X-1 [ACアダプタ DC5V 4A]
●定格入力:AC100~240V(50/60Hz)
●定格出力:DC5V 4A
●プラグ形状:2.1径センタープラス
●ケーブル長:約1m
>
付属の電源ハーネスとACアダプタを接続するためのプラグを用意します。
2.1mm標準DCジャック⇔スクリュー端子台
スクリュー端子台の付いたのDCジャックです。
プラスの印字がされている側のスクリュー端子がジャックのセンターと導通します。
●内径:2.1mm
●外径:5.5mm
ハーネスのケーブルが長すぎるので、短く切って端子台を取り付けています。
■TTLレベル設定変更
ラズベリーパイで使用するので、TTLレベル(JP5)を3.3Vに変更します。
ジャンパースイッチは基板の上側に付いているので、3箇所のネジを外して行います。
JP5: [1-2 3] → [1 2-3]
通信速度を9600→38400bps(JP6切替)に変更します。
JP6にピンヘッダーをはんだ付けします。
逆さにして、プリンタシールドの底部からみると、こんな感じです。
ジャンパーピンでショートさせます。
■プリンターの台座取り付け
イベント販売などのときは、NADA電子の刻印の入った台座が付いてくることもあるようですが、通常購入時には台座は同封されていません。
そこで、DAISO コレクションボックス ミニ フラット台座を利用しました。
●外寸サイズ
幅16.9cm/奥行8.5cm/高さ10cm
●内寸サイズ
幅14.8cm/奥行6.5cm/高さ8.8cm
プラスチックケースの底板に直径3mmの穴をあけて、シールド本体とロール紙ホルダーをネジで固定しています。
■テスト印刷
レバーを下げ、プラテンを外して、記録紙(ロール紙)を取り付けます。
フィードスイッチ(SW1)を押したまま電源を投入するとテスト印字が行われ、そのままHEXダンプ印字モードに移行します。
ロール紙に現在の通信設定が印刷されます。
Serial Interface |
Baud rate | : 38400bps |
Data bits | : 8bit |
Parity | : None |
Stop bits | : 1 |
Handshaking | : DTR |
電源を再投入することでHEXダンプ印字モードが解除されます。
※HEXダンプ印字モード
シリアルで入力されたデータをHEX(16進)コードで印字するモードです。
この機能を使用する事により 入力データのチェックを行う事が出来ます。
1ライン分のデータを受信した時点において、HEXダンプの印字を行います。
1ライン分以下の場合は、FEEDスイッチを押す事により印字を行います。
■ラズベリーパイとの接続
ラズベリーパイとプリンタシールドをつなぎます。
つなぐのは、GNDとTxD-RxD間の通信線です。
信号線(TxD-RxD)とGND線用の接続ケーブルを作成します。
カラーICクリップ
後ろ側を指で押すと先端から金属のフックが出てきます。
クリップの反対の端にはメスピンヘッダーを取り付けています。
プリンタシールドの信号ピンに引っ掛けて、ラズベリーパイのピンと接続します。
■ラズベリーパイの設定
ラズベリーパイの設定は下記の過去記事を参考にしてください。
■ソースコード印刷プログラム
プログラム要件
●3桁の行番号を印字する
●タブは、半角スぺースに置き換える
●印字桁数は半角48文字までなので、それを超える場合は改行する
●48文字目がUTF-8全角文字のときは47文字で改行し、次の行に印字する
●テキストファイルを標準入力から読み込んだ場合は、コンソールに出力する
AS-289R2 初期設定値
Ref.制御コマンド表 [日本語] Rev.3
ソースコード
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <wiringPi.h>
#include <wiringSerial.h>
#define MAX_COLUMN 48
#define BAUD_RATE 38400
int outfd = 0;
int main(int argc, char *argv[]){
FILE *infp, *outfp;
int c;
int row = 0;
int col = 4;
int numByte;
int i;
if (argc == 1) {
infp = stdin;
outfp = stdout;
} else {
infp = fopen(argv[1], "r");
if (infp == NULL) {
printf("%s not found.\n",argv[1]);
exit(1);
}
if ((outfd = serialOpen("/dev/ttyAMA0", BAUD_RATE)) < 0) {
printf("can not open serialport.");
exit(1);
}
}
if (outfd) {
// 初期化(印字バッファ内データ抹消))
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x40);
// ANK文字フォント指定(8x16ドット)
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x68);
serialPutchar(outfd,0x30);
// 漢字フォント指定(16x16ドット)
serialPutchar(outfd,0x12);
serialPutchar(outfd,0x53);
serialPutchar(outfd,0x31);
// 文字コード指定(UTF-8)
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x24);
serialPutchar(outfd,0x30);
// 行間スペース量指定(0ドット)
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x41);
serialPutchar(outfd,0x01);
// 文字間スペース量指定(0ドット)
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x20);
serialPutchar(outfd,0x00);
}
if (outfd) serialPrintf(outfd,"%03d ",++row); else fprintf(outfp,"%03d ",++row);
while ((c = fgetc(infp)) != EOF) {
switch(c) {
case 0x09: // TAB
if (outfd) serialPutchar(outfd,' '); else fputc(' ',outfp);
++col;
break;
case 0x0d:
--col;
break;
case 0x0a:
// 49桁目に改行コードがきた場合は、自動改行されるので無視する
if ( col % MAX_COLUMN ) {
if (outfd) serialPutchar(outfd,0x0d); else fputc(c,outfp);
}
if (outfd) serialPrintf(outfd,"%03d ",++row); else fprintf(outfp,"%03d ",++row);
col = 4;
break;
default:
if ((c & 0x80) == 0x00) { // 1byte文字
if (outfd) serialPutchar(outfd,c); else fputc(c,outfp);
++col;
} else {
// 48桁目に2バイト文字がきた場合は、改行する
if ( !((++col) % MAX_COLUMN)) {
if (outfd) serialPutchar(outfd,0x0d); else fputc(0x0a,outfp);
col = 2;
} else {
++col;
}
// UTF-8文字コードのバイト数判定
if ((c & 0xE0) == 0xC0) { numByte=2; // 2byte文字
} else if ((c & 0xF0) == 0xE0) { numByte=3; // 3byte文字
} else if ((c & 0xF8) == 0xF0) { numByte=4; // 4byte文字
} else if ((c & 0xFC) == 0xF8) { numByte=5; // 5byte文字
} else if ((c & 0xFE) == 0xFC) { numByte=6; // 6byte文字
} else { numByte=0;
}
if (outfd) serialPutchar(outfd,c); else fputc(c,outfp);
for(i=1;i<numByte;++i) {
c = fgetc(infp);
if (outfd) serialPutchar(outfd,c); else fputc(c,outfp);
}
}
break;
}
if (!(col % MAX_COLUMN)) {
// AS-289R2は自動改行される
if (!outfd) fputc(0x0a,outfp);
}
}
if (outfd) serialPutchar(outfd,0x0d); else fputc(0x0a,outfp);
if (infp!=stdin) {
fclose(infp);
if (outfd) serialClose(outfd);
}
exit(0);
}
初期処理
// 初期化(印字バッファ内データ抹消))
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x40);
// ANK文字フォント指定(8x16ドット)
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x68);
serialPutchar(outfd,0x30);
// 漢字フォント指定(16x16ドット)
serialPutchar(outfd,0x12);
serialPutchar(outfd,0x53);
serialPutchar(outfd,0x31);
// 文字コード指定(UTF-8)
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x24);
serialPutchar(outfd,0x30);
// 行間スペース量指定(0ドット)
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x41);
serialPutchar(outfd,0x01);
// 文字間スペース量指定(0ドット)
serialPutchar(outfd,0x1b);
serialPutchar(outfd,0x20);
serialPutchar(outfd,0x00);
半角文字は8x16、全角は16x16ドットに変更、文字コードにはUTF-8を指定、文字間、行間を0ドットに変更しています。
編集処理
while ((c = fgetc(infp)) != EOF) {
switch(c) {
case 文字コード1:
編集処理
case 文字コード2:
・・・・
}
while() ループでテキストファイルから1バイトずつ読込み、処理を行っています。
デバック中に気付いたことは以下の2点です
●LF(0x0a)の出力ではなにもおこらず、CR(0x0d)に変更して書き出す必要がある
●UTF-8のコードは全角1文字に2~6バイトを必要とするので、桁位置を補正する
●AS-289R2が1行の最大文字数を判断して、自動改行を行ってしまうので、二重に改行しないように制御する必要がある
$ gcc -Wall -o as289 as289.c -lwiringPi
$ ./as289 as289.c
ラズベリーパイのOSは、Raspbian GNU/Linux 10 (buster) を使用しています。
印字はストレスを感じない程度に早いです。
■補足:ステータスLED
ステータスLED(アンバー色)は以下の条件時に点滅します。
条件 | 点滅周期 | 解除 |
ペーパーエンド | 1秒 | 記録紙(ロール紙)補充して下さい |
ヘッドアップ | 1秒 | プラテンをロック(固定)して下さい |
サーマルヘッドエラー | 0.1秒 | サーマルヘッド(印字ヘッド)の故障です |
■参考文献
・さぁ始めよう|AS-289R2
・C言語で日本語文字列の文字数を数える(UTF-8)
|
Raspberry Pi(ラズベリー パイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。イギリスのラズベリーパイ財団によって開発されている。
Arduinoで学ぶ組込みシステム入門(第2版)
●Arduinoを使って組込みシステム開発を理解する
・ハードウェアやソフトウェアなどの基礎知識/
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Amazon Web Services基礎からのネットワーク&サーバー構築改訂4版
1.システム構築をインフラから始めるには/
2.ネットワークを構築する/
3.サーバーを構築する/
4.Webサーバーソフトをインストールする/
5.HTTPの動きを確認する/
6.プライベートサブネットを構築する/
7.NATを構築する/
8.DBを用いたブログシステムの構築/
9.TCP/IPによる通信の仕組みを理解する
C言語は第二の母国語: 独学学生時代から企業内IT職人時代に培った、独立のための技術とノウハウ 平田豊著
学生時代から独学でプログラミングをはじめ、企業内でデバイスドライバを開発し、そして独立後もたくさんのアプリケーション開発や技術書制作に携わってきた著者。その筆者が大事に使い続ける「C言語」の“昔と今”について、気づいたことや役立つ知識、使ってきたツールなどについて、これまで記してきたことを整理してまとめました。
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Webカメラなど、便利の裏側に潜むセキュリティの危険性をハッキングで検証。
専門家がパケットキャプチャからハードウェアハッキングまで、その攻撃と防御を徹底解説。
本書は2018年7月に刊行された「ハッカーの学校IoTハッキングの教科書」に一部修正を加えた第2版です。
攻撃手法を学んで防御せよ! 押さえておくべきIoTハッキング
本書は、経済産業省から2021年4月にリリースされた、IoTセキュリティを対象とした『機器のサイバーセキュリティ確保のためのセキュリティ検証の手引き』の『別冊2 機器メーカに向けた脅威分析及びセキュリティ検証の解説書』をもとに、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説しました。
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