なんちゃってmicro:bit
2024.01.23
YouTube でも紹介しています。画像をクリックすると再生できます。
今回は、micro:bit エッジコネクタ規格のマイコンに関しての話題です。
●ELECROW Mbits
ELECROW は中国・深センを拠点とするプリント基板メーカーです。
micro:bit V2 は、Nordic Semiconductor (ノルディック・セミコンダクター) の nRF52833チップ を搭載していますが、
Mbits は、ESP32-WROVER-B をベースに作られています。
うぷ主はこのボードをメルカリ(新品2枚で2200円)で見つけました。
この記事を書いている時点では、aliexpressで2620円で購入可能のようです。
さて、なぜこのボードを記事にしたのかというと、そのピン配置に着目したからです。
各社マイコンボードは形状もピン配置も異なり、ボードを変更するとその都度配線を変更しなければなりません。
このピン配置が同じであれば、用途に合わせてマイコン搭載基板を交換するだけで済んでしまいます。
●KEYESTUDIO センサー シールド 拡張ボード for BBC Micro:bit
市販のmicro:bit拡張基板ではヘッダーピンにジャンプワイヤーを接続するという手間が発生してしまいます。
でも、5Vの周辺機器を接続するには便利かもしれません。
●micro:bit breadboard breakout board by Kitronik
回路を組む際に、micro:bitの20ピンのエッジコネクタをそのままブレッドボード上に展開できるとてもシンプルな拡張基板です。
ブレッドボード上に挿して使うタイプなので、
ブレッドボードに回路を組んでしまえば、あとはmicro:bitやMbitsを差し替えるだけで共通して利用することが可能になります。
SPI接続のTFTディスプレイとI2C接続のセンサーを基板に配置した様子です。
背面にはSPI接続のmicroSDカードモジュールを取り付けています。
ブレッドボードからMbitsを取り外して、micro:bitに差し替えて、プログラム側でピン番号の多少の変更を行えば、既存の回路が利用できてしまいます。
そうはいっても、と思われるかもしれませんが、そういったニーズをくみ取ったユニバーサル基板が aitendoさんから販売されています。
うぷ主はaitendo さんの基板デザインの美しさが気に入っています。
●Micro:bit風なユニバ基板 [UP52x42BIT] / aitendo
Micro:bit風なユニバ基板
2.54x2.54mmピッチ
スルーホール:φ0.9
基板寸法:52x42x1.6mm
Micro:bit風なユニバ基板
こちらはうぷ主が作成したオリジナルmicro:bitです。
左がESP32、中央がArduino ATmega328、右がESP8266用です。
詳細は次回の記事で紹介します。
Microsoft Azure(アジュール) IoT Development Kit (MXChip AZ3166)
また、過去にはSTM32F412搭載のこんなボードも販売されていました。
ともあれ、まずはmicro:bit とMbits を比較してみましょう。
THE BEST MICRO:BIT ALTERNATIVE - MBITS
Micro:bit
Mbits
外見的にはほぼ同じようにみえますが、スペックはかなり異なります。
●Comparison between Mbits and micro:bit
| Mbits | Microbit V2 |
Processor | ESP32-WROVER-B | Nordic Semiconductor nRF52833 |
Memory | 4M Flash, 8M RAM | 512KB Flash, 128KB RAM |
Onboard | MEMS microphone | MEMS microphone and LED indicator |
5×5 RGB LED | 5×5 Red LED |
Accelerometer | Accelerometer |
2 programable button | 2 programable button |
On-board speaker | On-board speaker |
Temperature sensor | Temperature sensor |
Edge Connector | 25 pins. 3 dedicated GPIO, ADC,PWM, I2C, SPI and external power. 3 ring pins for connecting crocodile clips/banana plugs | 25 pins. 4 dedicated GPIO, PWM, I2C, SPI and external power. 3 ring pins for connecting crocodile clips/banana plugs. Notched for easier connection |
Wireless | 2.4GHz micro:bit Radio/BLE WiFi & Bluetooth 4.2 | 2.4GHz micro:bit Radio/BLE Bluetooth 5.0 |
Power | 5V via micro-USB port, 3V via edge connector or battery pack | 5V via micro-USB port, 3V via edge connector or battery pack |
Current available | 500mA available for accessories | 200mA available for accessories |
Software | Letscode, Arduino | MakeCode, Python, Scratch, Arduino |
Size | 5.2 cm (w) x 5.2 cm (h) | 5 cm (w) x 4 cm (h) |
Elecrow Mbits – BBC Micro:Bit Compatible STEM Education Board based on ESP32
この比較表はELECROWのサイトから引用しているのですが、MbitsのメモリーはSPIRAMが4M、FLASHが16Mかと思われます。
MbitsはESP32 WROVER Devkitがベースなので2系統のSPIを実装しています。
●micro:bit V2 Pinout
マイクロビット(micro:bit) v2のエッジコネクターについて
【micro:bitの内部Pin】
PIN | variant.h | NRF52833 |
21 | (ROW1) | P0.21 |
22 | (ROW2) | P0.22 |
23 | (ROW3) | P0.15 |
24 | (ROW4) | P0.24 |
25 | (ROW5) | P0.19 |
26 | (LOGO) | P0.36 |
27 | (SPEAKER) | P0.0 |
28 | (RUN_MIC) | P0.20 |
29 | A6(MIC_IN) | P0.5 |
30 | PIN_WIRE1_SDA(I2C_INT_SDA) | P0.16 |
31 | PIN_WIRE1_SCL(I2C_INT_SCL) | P0.8 |
32 | (COMBINED_SENSOR_INT) | P0.25 |
33 | PIN_SERIAL_RX(RX) | 40(P1.08) |
34 | PIN_SERIAL_TX(TX) | P0.6 |
●Mbits Pinout
Mbitsは、同社のuPesy ESP32 Wrover DevKit v2.1がベースになっているようです。
uPesy ESP32 Wrover DevKit v2.1
Mbits
micro:bit と Mbits のエッジコネクタの配置を比較してみます。
| Microbit V2 | Mbits |
P3 | LED3列 | ANALOG | P0.31 | HSPI_MOSI/RGB | GPIO13 |
P0 | | ANALOG | P0.02 | DAC_2 | GPIO26 |
P4 | LED1列 | ANALOG | P0.28 | HSPI_D/C | GPIO27 |
P5 | Button A | | P0.14 | VSPI_CS | GPIO5 |
P6 | LED4列 | | P0.37 | Button A | GPIO36 |
P7 | LED2列 | | P0.11 | Button B | GPIO39 |
P1 | | ANALOG | P0.03 | | GPIO32 |
P8 | | NFC2 | P0.10 | | GPIO4 |
P9 | | NFC1 | P0.09 | | |
P10 | LED5列 | ANALOG | P0.30 | HSPI_SCK | GPIO14 |
P11 | Button B | | P0.23 | HSPI_MISO | GPIO12 |
P12 | Reserved | | | HSPI_CS | GPIO15 |
P2 | | ANALOG | P0.04 | DAC_1 | GPIO25 |
P13 | SPI_SCK | | P0.17 | VSPI_SCK | GPIO18 |
P14 | SPI_MISO | | P0.01 | VSPI_MISO | GPIO19 |
P15 | SPI_MOSI | | P0.13 | VSPI_MOSI | GPIO23 |
P16 | | | P0.34 | VSPI_D/C | GPIO2 |
3V3 | | | | 3V3 | |
P19 | I2C_SCL | | P0.26 | I2C_SDA | GPIO21 |
P20 | I2C_SDA | | P0.32 | I2C_SCL | GPIO22 |
GND | | | | GND | |
| | | | Microphone | GPIO35 |
| | | | Buzzer | GPIO33 |
| | | | RXD0 | GPIO3 |
| | | | TXD0 | GPIO1 |
※micro:bit は電源を除き全PIN PWM/UART対応。
※PlatformIO開発環境を利用されている方は下記のピン定義を参考にしてみてください。
~/.platformio/packages/framework-arduinoespressif32/variants/uPesy_esp32_wrover_devkit/pins_arduino.h
2つのプッシュボタンの制御ピンはまったく異なります。
LED関連は制御がまったく違うので統一できていません。
Mbitsは2系統のSPIがあり、HSPIが引き出されていて便利です。
VSPI D/CとHSPI D/Cを空いている5番と12番ピンに割り当てて使う予定です。
MbitsにはDACピンも2つあります。
類似商品を作るのであれば、共通化できるであろうSPIとI2Cピンの配置ですが、
Mbitsさん、やらかしちゃいました。SCL、SDAの並びが逆転しています。
呼び出して使われるクラスライブラリ内でWireライブラリの初期化が行われていたりすると、
呼出元のプログラムではこの違いを回収できません。
そこで小道具を作りました。
I2C接続のセンサーモジュールも製品ごとにピン配置が異なるので、ジャンプワイヤーをつなぎ変えてピンの並びを調整します。
●プログラムのビルド
ビルドにはRaspberry Piを用いています。
Arduino開発環境構築 PlatformIO
$ pio boards 'WROVER'
Platform: espressif32
=================================================================
ID MCU Freq Flash RAM Name
-------------- ----- ------ ----- ----- -------------------------
esp-wrover-kit ESP32 240MHz 4MB 320KB Espressif ESP-WROVER-KIT
upesy_wrover ESP32 240MHz 4MB 320KB uPesy ESP32 Wrover DevKit
$ pio init -b upesy_wrover
$ vi src/checkRam.ino
#include <Wire.h>
#include <SPI.h>
void setup() {
Serial.begin(115200);
Serial.printf("Internal Total heap %d, internal Free Heap %d\n", ESP.getHeapSize(), ESP.getFreeHeap());
Serial.printf("SPIRam Total heap %d, SPIRam Free Heap %d\n", ESP.getPsramSize(), ESP.getFreePsram());
Serial.printf("Flash Size %d, Flash Speed %d\n", ESP.getFlashChipSize(), ESP.getFlashChipSpeed());
Serial.printf("ChipRevision %d, Cpu Freq %d, SDK Version %s\n", ESP.getChipRevision(), ESP.getCpuFreqMHz(), ESP.getSdkVersion());
Serial.println("");
int alloc_size = 2000000;
uint8_t *p = (uint8_t*)malloc(alloc_size);
if (p == NULL) {
Serial.println("Memory Allocate Failed");
}
int i = 0;
while ( i < alloc_size ) {
p[i] = (char)i;
if ( p[i] != (char)i ) {
Serial.printf("write error at %d\n", i);
i--;
break;
}
i++;
}
Serial.printf("%d bytes check Ok\n", i);
free(p);
}
void loop() {
}
$ pio run -t upload
$ pio device monitor -p /dev/ttyUSB0 -b 115200
ets Jun 8 2016 00:22:57
rst:0x1 (POWERON_RESET),boot:0x13 (SPI_FAST_FLASH_BOOT)
configsip: 0, SPIWP:0xee
clk_drv:0x00,q_drv:0x00,d_drv:0x00,cs0_drv:0x00,hd_drv:0x00,wp_drv:0x00
mode:DIO, clock div:1
load:0x3fff0030,len:1344
load:0x40078000,len:13924
ho 0 tail 12 room 4
load:0x40080400,len:3600
entry 0x400805f0
Internal Total heap 369960, internal Free Heap 345048
SPIRam Total heap 4192123, SPIRam Free Heap 4192123
Flash Size 16777216, Flash Speed 80000000
ChipRevision 1, Cpu Freq 240, SDK Version v4.4.4
2000000 bytes check Ok
●実行環境の整備
マイコンへの実行コード・アップロード後は単独で動くように、3.3V供給用モジュールを作りました。
不要になった機器からパーツ取りしたリニアレギュレータSI-3012KSを使っています。
USB電源を3.3Vに降圧、最大1Aの出力が可能です。
それとディスプレイへはスライド・スイッチで電源ON/OFFを可能にしました。
HSPI接続のmicroSDカードからEnki Bilal(エンキ・ビラル)のブックカバー画像を取り込んで、VSPI接続のディスプレイに表示させてみました。
仕方ないのかもしれませんが、HSPI_MOSI(GPIO13)ピンがRGB LEDと被ってしまっているので、HSPI接続をするとLEDが点灯してしまいます。
●サンプルコード
MbitsのRGB LEDで遊びたい方は下記のアーカイブを利用してください。
Arduino_program.zip
●その他参考文献
Using the PSRAM
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この本では,ベイズ統計学のきほんをやさしく紹介していきます。
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ケイバ(KEIBA) マイクロニッパー MN-A04
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白光(HAKKO) HEXSOL 巻はんだ 精密プリント基板用 150g FS402-02
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