ESP32-S3 USB MIDI
2024.09.09
YouTube でも紹介しています。画像をクリックすると再生できます。
今回は、ESP32-S3 にUSB MIDIキーボードを接続してみました。
●Pinout
ESP32-S3として様々な製品が販売されていますが、GPIO19(USB D-).GPIO20(USB D+)が引き出されていて、PSRAMを実装しているボードを選びます
mcuカバーの刻印
ESP32-S3-WROOM-1
N16R8
ESP32-S3のモジュールの型番の見方
[ESP32-S3-WROOM]-[1 or 1U]-[N or H][Flash size][R+PSRAM Size]
・ESP32-S3-WROOM (共通)
・1 or 1U : 1はPCBアンテナ搭載、Uは外部アンテナ用
・N or H : Nは85℃まで、Hは105℃まで
・Flash Size : Flashのサイズ。4MB、8MB、16MB
・R+PSRAM Size : PSRAMサイズ。無記載はPSRAMなし
R2:2MB/Quad SPI(QSPI)接続
R8:8MB/Octal SPI(OSPI)接続
Octal SPIの場合、GPIO35・GPIO36・GPIO37を占有
ESP32-S3とMicroPythonとPSRAM
●開発環境
ソースコードのビルドには、Raspberry Pi 3、開発環境に PlatformIOを使用しています。
Arduino開発環境構築 PlatformIO
$ pio boards esp32-s3-devkit
PlatformIOでボード情報を確認してみると、PSRAM版のesp32s3 DevkitCが存在しません
handledexception/platform-espressif32
gitHubにある esp32-s3-devkitc-1-n16r8v.json をボード情報に追加します
→ ~/.platformio/platforms/espressif32@***************/boards
※ *******はインストール環境に依存
jsonファイルの内容を下記に記載します
{
"build": {
"arduino":{
"ldscript": "esp32s3_out.ld",
"partitions": "default_16MB.csv",
"memory_type": "qio_opi"
},
"core": "esp32",
"extra_flags": [
"-DARDUINO_ESP32S3_DEV",
"-DBOARD_HAS_PSRAM",
"-DARDUINO_USB_MODE=1",
"-DARDUINO_USB_CDC_ON_BOOT=1"
],
"f_cpu": "240000000L",
"f_flash": "80000000L",
"flash_mode": "qio",
"psram_type": "opi",
"hwids": [
[
"0x303A",
"0x1001"
]
],
"mcu": "esp32s3",
"variant": "esp32s3"
},
"connectivity": [
"wifi",
"bluetooth"
],
"debug": {
"default_tool": "esp-builtin",
"onboard_tools": [
"esp-builtin"
],
"openocd_target": "esp32s3.cfg"
},
"frameworks": [
"arduino",
"espidf"
],
"name": "Espressif ESP32-S3-DevKitC-1-N16R8V (16 MB QD, 8MB PSRAM)",
"upload": {
"flash_size": "16MB",
"maximum_ram_size": 327680,
"maximum_size": 16777216,
"require_upload_port": true,
"speed": 921600
},
"url": "https://docs.espressif.com/projects/esp-idf/en/latest/esp32s3/hw-reference/esp32s3/user-guide-devkitc-1.html",
"vendor": "Espressif"
}
$ pio boards esp32-s3-devkit
esp32-s3-devkitc-1-n16r8v が追加されています
USB CDC
USB CDCとはUniversal Serial Bus Communications Device Classの略称で, USB上でデバイス間のデータのやりとりを行うための通信規格です.
jsonファイル内のextra_flagをみてみましょう
"extra_flags": [
"-DARDUINO_ESP32S3_DEV",
"-DBOARD_HAS_PSRAM",
"-DARDUINO_USB_MODE=1",
"-DARDUINO_USB_CDC_ON_BOOT=1"
],
ARDUINO_USB_CDC_ON_BOOT = 1
この指定により、Serialが内蔵のUSB CDCでインスタンス化され、USB接続により従来のUPLOADが可能になります。
これにより、システムログはUSB to UART端子とGPIO43,44のTX,RX端子に出力されます
ボードの初期設定を行います
$ pio init -b esp32-s3-devkitc-1-n16r8 v
初期設定に追記します
$ vi platformio.ini
[env:esp32-s3-devkitc-1-n16r8v]
platform = espressif32
board = esp32-s3-devkitc-1-n16r8v
framework = arduino
board_build.partitions = default_16MB.csv
build_flags =
-DBOARD_HAS_PSRAM
-mfix-esp32-psram-cache-issue
-DCORE_DEBUG_LEVEL=4
board_build.arduino.memory_type = qio_opi
board_build.f_flash = 80000000L
board_build.flash_mode = dio
monitor_speed = 115200
Configuration for esp32s3 N16R8
●PSRAM確認
実装されているPSRAM容量などを確認してみます
void setup() {
Serial1.begin(115200, SERIAL_8N1, 44, 43);
Serial1.printf("Internal Total heap %d, internal Free Heap %d\n", ESP.getHeapSize(), ESP.getFreeHeap());
Serial1.printf("SPIRam Total heap %d, SPIRam Free Heap %d\n", ESP.getPsramSize(), ESP.getFreePsram());
Serial1.printf("Flash Size %d, Flash Speed %d\n", ESP.getFlashChipSize(), ESP.getFlashChipSpeed());
Serial1.printf("ChipRevision %d, Cpu Freq %d, SDK Version %s\n", ESP.getChipRevision(), ESP.getCpuFreqMHz(), ESP.getSdkVersion());
Serial1.println("");
}
void loop() {}
$ pio run -t upload
(抜粋)
PLATFORM: Espressif 32 (6.3.2+sha.a47ecbf) > Espressif ESP32-S3-DevKitC-1-N16R8V (16 MB QD, 8MB PSRAM)
HARDWARE: ESP32S3 240MHz, 320KB RAM, 16MB Flash
PACKAGES:
- framework-arduinoespressif32 @ 3.20009.0 (2.0.9)
- tool-esptoolpy @ 1.40501.0 (4.5.1)
- tool-mkfatfs @ 2.0.1
- tool-mklittlefs @ 1.203.210628 (2.3)
- tool-mkspiffs @ 2.230.0 (2.30)
- toolchain-riscv32-esp @ 8.4.0+2021r2-patch5
- toolchain-xtensa-esp32s3 @ 8.4.0+2021r2-patch5
Checking size .pio/build/esp32-s3-devkitc-1-n16r8v/firmware.elf
Advanced Memory Usage is available via "PlatformIO Home > Project Inspect"
RAM: [= ] 6.0% (used 19620 bytes from 327680 bytes)
Flash: [ ] 4.0% (used 264265 bytes from 6553600 bytes)
Building .pio/build/esp32-s3-devkitc-1-n16r8v/firmware.bin
esptool.py v4.5.1
Auto-detected: /dev/ttyUSB0
Uploading .pio/build/esp32-s3-devkitc-1-n16r8v/firmware.bin
esptool.py v4.5.1
Serial port /dev/ttyUSB0
Connecting....
Chip is ESP32-S3 (revision v0.2)
Features: WiFi, BLE
Crystal is 40MHz
MAC: xx:xx:xx:xx:xx:xx
Wrote 264624 bytes (147816 compressed) at 0x00010000 in 3.6 seconds (effective 584.4 kbit/s)...
Hash of data verified.
Leaving...
Hard resetting via RTS pin...
$ pio device monitor -p /dev/ttyUSB0 -b 115200
あるいは
$ pio device monitor -p /dev/ttyAMA0 -b 115200
デバイスモニター起動時にゴミが流れるので、一度リセットボタンを押します
ESP-ROM:esp32s3-20210327
Build:Mar 27 2021
rst:0x1 (POWERON),boot:0x8 (SPI_FAST_FLASH_BOOT)
SPIWP:0xee
mode:DIO, clock div:1
load:0x3fce3808,len:0x3ac
load:0x403c9700,len:0x9b4
load:0x403cc700,len:0x28d8
entry 0x403c98bc
[ 101][I][esp32-hal-psram.c:96] psramInit(): PSRAM enabled
Internal Total heap 397152, internal Free Heap 372192
SPIRam Total heap 8386295, SPIRam Free Heap 8386295
Flash Size 16777216, Flash Speed 80000000
ChipRevision 0, Cpu Freq 240, SDK Version v4.4.4
プログラムの中で、Serial1 を Serial に重ねているので、
前半部分にシステム・ログ、後半の赤文字部分のユーザ・ログが出力されています
ユーザ・ログとシステム・ログを分けたい場合は、Serial1をGPIO18,17に変更します
Serial1.begin(115200, SERIAL_8N1, 44, 43);
↓
Serial1.begin(115200, SERIAL_8N1, 18, 17);
$ pio device monitor -p /dev/ttyAMA0 -b 115200
Internal Total heap 397152, internal Free Heap 372192
SPIRam Total heap 8386295, SPIRam Free Heap 8386295
Flash Size 16777216, Flash Speed 80000000
ChipRevision 0, Cpu Freq 240, SDK Version v4.4.4
こうすることで、ttyAMA0側にユーザ・ログのみを表示することができます。
●USB MIDI
それではUSB MIDI機能をみてみましょう
ESP32-S3のUSBポートは、VBUSの5Vを出力しません。
そこで、5V出力ピンと GPIO19(D-)、GPIO20(D+)を使って、USB MIDIキーボードと接続します。
中央上がRaspberry Pi 3 model A+、その左が ESP32-S3 DevkitC、下が KORG nanoKEY2 です。
nanoKEY2のUSB Type-A端子とESP32-S3を仲介する部分にはUSBコネクターDIP化キット(Aメス)/秋月電子を使っています。
touchgadget/esp32-usb-host-demos
gitHubからサンプルコードをダウンロードします。
必要となるのは以下の3つのソースファイルです。
・usbhmidi.ino
・show_desc.hpp
・usbhhelp.hpp
$ pio run -t upload
$ pio device monitor -p /dev/ttyAMA0 -b 115200
ビルドして、デバイスモニターを起動します。
MIDIキーボードでの操作が表示されます
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