ラズパイで自宅WEBサーバ構築
第1回 前準備 2019.10.15
YouTube 動画でポイントを説明しています。上記画像をクリックすると再生できます。
以前、データセンターにサーバ1台を契約して、WEBサイトを運営していたのですが、
サーバOSが古くなりすぎて、最近のツールを組込めない状況になりました。
そこで、拡張性を踏まえ、自宅にWEBサーバを立ち上げ、サイトを移行しました。
2019年7月21日に稼働を開始して、この記事を書いている時点では、故障もせずに動いています。
この講座は実用的なWEBサーバ構築について解説します。
まずはシステムの概要です。

1番上の[ひかり電話ルータ]は、FLET'S 光 を契約した際に付属していたルータ(RS-500KI)です。
上記構成では、このルータは初期値のまま一切設定せずに、LAN接続しているブロードバンドルーターにて各種設定を行っています。光電話ルータに接続しているWAN側がグローバルIPアドレスになっています。
・FLET'S 光NEXT ギガファミリー・スマートタイプ[にねん割][ギガ推し!割引] 4700円
・【GMOとくとくBB】フレッツ光ファミリー 固定IP付接続サービス:1,155円
月々の通信費は 5,855円ですが、パソコンやスマホの通信と共用ですので無難な金額かもしれません。
ブロードバンドルータの仕様要件としては下記の通りですが、ブロードバンドルータと呼ばれるのものはほぼ実装していると思います。
・PPPoE機能:ユーザIDとパスワードを用いて認証し、接続する際に用いられるプロトコル
・無線LAN機能/LAN端子(有線接続)
・ポートマッピング:特定のポート番号と特定のプライベートIPアドレスを対応させて変換するようにあらかじめ設定できる機能
・IPマスカレード:複数のプライベートIPアドレスを1つのグローバルアドレスに変換し、インターネット接続を可能にする
WEBサーバには、Raspberry PI 3 model B+(以下ラズパイ3) を用いて、システム本体はHDDにあります。
Raspberry Pi 3 model B+

ラズパイ3のUSBは規格2.0ですので、SSDを繋いでもアクセス速度に寄与できませんが、消費電力の面で採用してもよいかもしれません。
一昔前のCPU:Celeron、メモリ512MBのWEBサーバでも個人利用では問題なかったので、ラズパイ3の仕様である、CPU:Cortex-A53(ARMv8) 1.4GHz、メモリ1GB は十分なスペックです。
無停電電源装置は瞬間停電による障害回避と、停電時の電力供給です。
ラズパイの利点は消費電力が極めて少ないところです。Raspberry PI 3 model B+ の最大消費電力は、1130mA, 5.66W、ケースに取付けたファン:DC5V*0.2A=1W、USB接続HDD:5V*500mA(USB2.0規格の最大電流)=2.5W で合計で、9.16Wとなります。300W容量の無停電電源装置(UPS)を使用すると、1日程度は停電に耐えられると思われます。システム概要図では、ブロードバンドルータもUPSに接続しています。停電が長時間に及ぶ場合は、パソコンからルータ経由でラズパイをシャットダウンするためです。
次回からは、実際のインストール作業について解説していきます。
ラズパイへの、ubuntu OS 初期インストールで設定するのは、パスワードとネットワーク設定です。
それ以降は、ノートパソコンからSSH接続して、各種設定を行っていきます。
WEBサーバ構築の際には各種サイトからファイルをダウンロードしますので、既に光回線を契約していて、ネットワークに接続可能であることを前提に解説します。
WEBサーバ構築作業の間は、固定IPアドレスはまだ必要ありません。GMOとくとくBBの固定IP付接続サービスは、クレジット決済であれば、申し込み当日にIPアドレス発行も可能です。
また、ドメイン名も取得しなければなりません。私の場合はどこの国のサイトなのか分かりやすいように、JPドメインを取得しています。
レジストラ(ドメイン登録業者)の代表格の、「お名前.com」では「お名前.com Navi」からDNS設定も行えるようですが、
私はこのような外部DNSサーバは使用せずに、ラズパイ内にDNSサーバを立ち上げています。
私の利用しているレジストラは、プロックスシステムデザイン株式会社です。ドメイン名、ホスト名を連絡することで、レジストリの書き換えを行なっていただくだけのシンプルな内容です。
DNSサーバやメールサーバのアドレス設定が難しいと思われる方は、DNS設定までサポートしているレジストラさんを選ばれたほうがよいかもしれません。
WEBサーバ構築に必要な機材は下記を参照してください。
Raspberry Pi 3 model B+
CPU:1.4GHz クアッドコア Cortex-A53(ARMv8,64bit)/GPU:2コア 3D・動画支援/RAM:1GB/ネットワーク:LAN/Wi-Fi/Bluetooth、 インターフェース:USB2.0/HDMI/オーディオ/GPIO(UART/I2C/I2S/SPI...)
model B+ にはPoEヘッダが追加されていて、Raspberry Pi 3B ケースは使えません。発熱を考えると少なくともヒートシンク、さらに冷却ファンもあると安心です。
Raspberry Pi 3B+ ケース
冷却ファンx1
ヒートシンク(大2 小1)
ファン定格電圧/電流:DC 5V, 0.16A
ラズパイはシャットダウンしてシステムが停止しても電源は供給されています。電源アダプタにはスイッチ付きのものが便利です。システム起動時の電力消費が大きいので、2.5A以上のものを推奨しているようです。
Raspberry Pi 3B+ USB電源 5V 3A スイッチ付き
DC 5V 3A / 3000mA入力: AC100-240V
ケーブル長:150cm オン/オフスイッチ付き
Raspberry Pi 3 Model B B+ A+ & Raspberry Pi 2 Model B & Raspberry Pi Zero & Raspberry Pi Model A A+ Model B B+対応
Raspberry Pi の本体システムとして使えるのはFAT32フォーマットシステムだけなので、必然的にFAT32形式で使える最大容量は microSDHC 32GBになります。ubuntu のインストールだけであれば、8GBでも大丈夫だとは思いますが、利便性を考えると容量32GBがお奨めです。バックアップ用も含め、2枚以上購入しておくと便利です。
WEBサーバの構築時は microSDHC で行います。実稼働時に、外付けのHDDなどに rsync して切り替えます。
microSDHC 32GB
容量:32GB
最大読込速度:80MB/s
UHSスピードクラス1 SDスピードクラス CLASS 10
フレッツ光回線設置時に回線終端装置一体型ルータも提供され、様々な設定もできるようですが、プロバイダとの接続設定程度を前提にしているようで、詳細設定等のマニュアルは添付されません。市販のルータを接続して設定したほうが利便性が向上すると思います。
BUFFALO WiFi 無線LAN ルーター
WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2 mixed PSK(TKIP/AES mixed)、WEP(128/64bit)
5GHz/2.4GHz (内蔵)
LANポート:最大1000Mbps×4
ラズパイ自体が軽いので、このようなやわらかいケーブルは取り回しが便利です。
やわらかLANケーブル (0.3m)
規格:CAT6準拠(10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T、1000BASE-TXに準拠)
伝送速度:1Gbps、伝送帯域:250MHz
爪折れ防止カバー付コネクタ採用
ケーブル太さ:4.4mm
結線方式:ストレート結線
HDMI端子のあるテレビがあれば、初期インストール時にのみ使用するモニターとして利用します。
テレビによっては水平同期がうまくいかないこともありますが、まあ何とかなると思います。
また、SPI接続モニターではドライバがないと認識しないこともあるので、新規にモニターを購入するのであれば、HDMIモニターがよいと思います。
HDMIスリムケーブル
ケーブル直径約3.2mmで取り回しがしやすく、すっきり配線できる、スーパースリムタイプのイーサネット対応ハイスピードHDMIケーブル
3DフルHD(1080p×2画面)、4K2K(4096×2160ドット)に対応
下記のような小型モニタはモバイルバッテリーからの電源供給でも問題なく稼働します。
Kuman 3.5インチ HDMI 小型モニター 480*320 ラズベリーパイ3b タッチスクリーン ディスプレイ ビデオ/ゲーム可能 保護ケースセット raspberry pi 3 b+ 2 Model B A+ A に対応 ラズベリー パイ SC6AC
キーボードはラズパイの初期インストール時にのみ使用します。Bluetooth は認識されないこともあるので避けるべきです。
有線あるいは無線(USB端子に受信機を付けるタイプ)にします。
また、日本語キーボードの場合、記号などが正しく入力されないことが多いので、本来は英語キーボードが良いのですが、
誤変換の規則性を把握すれば、さほど問題はありません。初期インストール後はノートパソコンなどから、ルーターを介して詳細な設定作業を行います。
【2019新版】口紅キーボード
USB充電 Bluetooth&USB 両接続対応メカニカルキーボード。
タイプライター風のレトロな丸形キートップを採用。
青軸系メカニカルキースイッチを搭載。独特のカチャカチャという打鍵音が癖になるほど心地良い。
この機種ではないのですが、私のノートパソコンは、64GB eMMCフラッシュ、miscroSDスロットに128GBのSDカードを挿して使っています。
HDDやSSDなどの駆動系がないので、カフェ等での長時間利用も可能です。
Jumper EZpad 6 Pro 2-in-1 11.6inch タブレットノートパソコン
Intel Atom 2.20GHz/64GB eMMCフラッシュ/6GB DDR3メモリ/OS:Windows 10 Home/
11.6inchタッチスクリーン(1920*1080)/MicroSDスロット,USB3.0
無停電電源装置は瞬間停電などによる機器破損防止および停電中の給電に用います。
CyberPower 無停電電源装置 (ラインインタラクティブ給電/正弦波出力) 1200VA/720W CPJ1200
常時商用給電方式は、普段はコンセントの電気をそのまま使いながらバッテリーにも電気を貯め、停電等が起こったらバッテリーからの給電に切り替える方式です。ラインインタラクティブ方式は常時商用給電に加え、トランス経由で給電されるため、さらに安定しています。
BGE50ML-JP ネットワークバッテリバックアップ+モバイル電源パック
電源部分が取り外し可能で、モバイルバッテリとしても利用できるということ。屋内にいるときはスロットに挿入してネットワーク機器向けのUPSとして、屋外にいるときは分離してモバイルバッテリとして、一台二役をこなす。
「BGE50ML-JP」の最大出力は50W/84VAと、通常のUPSよりは設定が低め。バッテリ容量は1万1400mAh。10Wで約2.5時間、50Wで約30分。トラブル発生後も、慌てることなく状況に対処することができる。
モバイルバッテ リの2.4A×1、1A×1に加えて、本機の1A×1のUSB充電ポートも使用可能。
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【深層学習関連】
【画像処理関連】

【音楽関連】

【WEBサイト構築関連】

【開発環境関連】

【SNS関連】

【周辺機器関連】

【その他】

トランジスタ技術 2021年1月号
特集: アナログ回路はノイズと闘う ~システムの性能を維持して安定な動作を実現するために~
Interface 2021年1月号
☆特集 Jetson/ラズパイ/PCで自習 Python画像処理100
☆特別付録:コンピュータ手帳2021
日経Linux 2021年 1月号
★超保存版・冊子付録 Ubuntu完全対応 Linuxコマンド逆引き大辞典 264項目
★付録DVD 特集連動2本入り「Ubuntu 20.10 日本語Remix」「Ubuntu Server20.10」
ラズパイマガジン2020年12月号
温度、距離、におい、圧力など、さまざまな種類のセンサー350種類を一挙に紹介します。特性や価格を示した一覧表を用意したので、用途に合った適切な製品を選べます。そのうちの34種類のセンサーは、仕組みから配線図まで図解で分かりやすく解説します。
15Stepで踏破 自然言語処理アプリケーション開発入門
エンジニアの実務に役立つ知識に絞り、独自に15の学習ステップを体系化しました。
数値計算にNumPy、形態素解析にMeCab、機械学習にscikit-learn、ディープラーニングに
Keras等を使い、Pythonのコードを記述し動かしていきます。
プログラミング・ビットコイン ―ゼロからビットコインをプログラムする方法
Linuxサーバーがゼロから作れる本
このLinuxを使いこなす上で一番手っ取り早いのが自分でLinuxサーバーを構築してみることです。
WindowsやMacのパソコンしか使ったことが無い人でも理解できるよう、
しくみや手順の解説を丁寧にまとめ上げた、ゼロからのサーバー入門ガイドです。
Raspberry Pi 3 Model B V1.2 (日本製) 国内正規代理店品
【仕様概要】CPU:ARM 1.2GHz 4コア、GPU:2コア 3D・動画支援、RAM:1GB、ネットワーク:LAN/Wi-Fi/Bluetooth、インターフェース:USB/HDMI/オーディオ/GPIO(UART/I2C/I2S/SPI...)。
Arduino Nano
ATmega328搭載/
動作電圧: 5V/
入力電源電圧(推奨):7~12V/
デジタル入出力ピン: 14本/
PWMチャンネル: 6本/
アナログ入力チャンネル: 8本/
直流電流(1ピン当り最大): 40 mA/
直流電流(3.3Vピン、1ピン当り最大): 50 mA/
Flashメモリ: 32 KB (ATmega328) 内2KBはブートローダーで使用/
SRAM: 2 KB (ATmega328)/
EEPROM: 1 KB (ATmega328)/
Clock Speed: 16 MHz
逆引き PIC電子工作 やりたいこと事典
機能が豊富で、速度・アナログ制御・省電力性・コストの面でもアドバンテージをもつPICマイコン。そんなPICマイコンの使い方を、目的別にやりたいことから引ける、逆引きタイプのガイドブックです。
C言語による PICプログラミング大全
2002年に初版、2009年に第2版を発売した名著『C言語によるPICプログラミング入門』
が大幅リニューアルし「大全」として生まれ変わりました。
本書では、機能豊富なPIC16F1シリーズを使いこなすために、統合開発環境を
MPLAB X IDEに、CコンパイラはMicrochip Technology社純正のXC8に、それぞれ変更しました。
C言語でPICマイコンのプログラミングを始めたい方から、最新のPICマイコンの機能をとことん使い倒したい方まで、必ず役に立つ1冊です。
PICと楽しむRaspberry Pi活用ガイドブック
「PICマイコン+Raspberry Pi3B」という組み合わせで、高機能な電子工作を簡単に実現し、電子工作を各段に高度化する方法について解説していきます。
ESP32&Arduino 電子工作 プログラミング入門
電子工作ファンに人気のマイコンArduino、そしてWiFiとBluetooth内蔵でネットワーク接続しやすいESP32。それらのマイコンでプログラムを組む際に使うのが「Arduino言語」です。
超特急Web接続!ESPマイコン・プログラム全集
IoT技術の回路とプログラムを解説しました.
トランジスタ技術2016年9月号と2017年3月号の特集に
最新の情報を加筆して一冊に仕上げました.
回路とプログラムのサンプル資料として最適です.
ラズベリー・パイやIchigoJamを連動させた例も紹介しています
M5Stack用カード型キーボードユニット
M5Stackにフル機能のQWERTY配列キーボードを実装できるユニットです。複数のボタンの組み合わせ(Sym + Key、Shift + Key、Fn + Key)や豊富なキーの値を出力することが可能です。
Ubuntu サーバー徹底構築
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導入からLinuxやコマンドの基本、各種サーバー構築、バックアップやストレージ管理まで!
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10年長期サポート版であるUbuntu Server 18.04 LTSに対応!
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本書では、DNSの仕組みから、ドメイン名のルール、主なリソースレコードの内容、コマンドによる動作確認、DNSの運用ノウハウ、DNSSECの基礎知識まで、順を追ってやさしく解説します。
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